お知らせ news

#66 縦列駐車が苦手でも大丈夫!失敗しないコツと具体的なやり方を徹底解説

「空いている駐車スペースを見つけたけど、縦列駐車か…、やっぱりやめておこう」

路上で駐車しようと思ったとき、縦列駐車への苦手意識から諦めてしまった経験はありませんか? 「縁石にタイヤを擦りそう」「前後の車にぶつけそうで怖い」「後続車がいて焦ってしまう」など、縦列駐車の悩みは尽きません。しかし、縦列駐車は決して一部の人だけができる特別な技術ではありません。正しいやり方とちょっとしたコツを覚えれば、誰でも必ず上達可能です。

この記事では、縦列駐車が苦手な方に向けて、心構え、基本の手順、上達のコツをわかりやすく解説します。自信を持って縦列駐車に挑戦できるよう、一つずつポイントを確認していきましょう。

 

車庫入れよりも難しい?縦列駐車に特有の「3つの壁」

縦列駐車が一般的な車庫入れと比べて、なぜこれほど難しく感じるのでしょうか。その理由は、縦列駐車ならではの「3つの壁」にあります。

 

壁①:前後の車と縁石に挟まれる緊張感

車庫入れが主に左右と後方の距離感を見るのに対し、縦列駐車では前後の車と側面の縁石という、四方を囲まれた逃げ場のない空間に車体を滑り込ませる必要があります。特に「タイヤをガリッと縁石に擦ってしまうのではないか」という恐怖は、多くのドライバーが経験する縦列駐車特有の強いプレッシャーです。

 

壁②:S字を描くような「左右へのハンドル切り返し」操作

車庫入れが「片側に切り、戻す」という一方向の操作が中心なのに対し、縦列駐車は「左にいっぱい→まっすぐ→右にいっぱい」といった、S字を描くようなダイナミックなハンドル操作が求められます。この逆方向への複雑な切り返しは、一つタイミングを間違えるだけで軌道が大きくずれます。

 

壁③:路上での心理的なプレッシャー

縦列駐車は、駐車場内ではなく公道上で交通の流れを一時的に止めて行う場合があります。「後続車を待たせている」「早くしないと」というプレッシャーは、駐車場内で行う車庫入れとは比較にならないほど大きく、この焦りが冷静な判断と正確な操作をさらに難しくさせる最大の要因です。

 

ちょっと待って!その縦列駐車、本当に必要?

テクニックの話に入る前に、最も重要なことをお伝えします。それは、「危険な状況では無理に駐車しない」という判断力を持つことです。

 

交通量が非常に多い、スペースが極端に狭い、後続車が詰まっているなど、少しでも「難しい」「危ない」と感じたら、無理に縦列駐車をする必要はありません。その場所を諦めて少し先に進めば、もっと停めやすい一般的な駐車場(コインパーキングなど)が見つかるかもしれません。

「縦列駐車を回避する」というのは、逃げではなく、賢明で安全な判断です。この大原則を心に留めた上で、安全な状況で縦列駐車をする時のために、正しいやり方を学んでいきましょう。

 

これが基本!縦列駐車の正しいやり方ステップ

ここでは、多くの自動車学校・教習所で教わる、最も基本的な縦列駐車の「やり方」を5つのステップで解説します。

ステップ①:スペース確認と「起点」への正確な位置合わせ

駐車したいスペースの長さが、自分の車の長さの約1.5倍以上あるかを確認します。次に、駐車スペースの前方に停まっている車(目標車両)の横に、側面の間隔を約1m(ドア1枚分ぐらい)あけて平行に寄せ、自分の車の後端と目標車両の後端が横並びになる位置で停止します。この「起点」の位置合わせが、後の操作をスムーズにする最初のコツです。

 

ステップ②:ハンドルを切りながら後退開始(1回目の切り込み)

安全確認後、ハンドルを左にいっぱいに切ります。ブレーキで速度をコントロールし、ゆっくり後退を開始します。左後ろが接触しないか確認をした後に右のサイドミラーを確認すること。自分の横を通る車が後ろから来ないかも目視で確認します。

ミラーの中に、後方車両の顔全体が見えたあたりが、次の操作への「合図」です。

 

ステップ③:ハンドルをまっすぐに戻して、さらに後退

ステップ2の「合図」が見え始めた段階で徐々にハンドルをまっすぐな状態に戻し始めて、後方車両の顔全体が見えたタイミングで戻し終えます。そして、そのままゆっくりとまっすぐ後退します。

今度は右後輪に注目しましょう。駐車スペースの右側のラインに、右後輪が届いたあたりが次のハンドル操作に移る「合図」です。同時に、左後輪が縁石に近づきすぎていないかも、意識しておきましょう。

※駐車スペースにラインが引いていない場合もあります。

 

ステップ④:ハンドルを逆方向に切りながら、車体を収める(2回目の切り込み)

ステップ3の「合図」を確認したら、今度はハンドルを右にいっぱいまで切ります。ゆっくり後退し、車体を駐車スペースに収めていきます。この時の「コツ」は、複数の箇所をバランス良く確認することです。

最優先で見るべきは左前です。左前部が前方の車両に接触しないか、ぎりぎりまで確認します。次に、左後部を目視及び左ドアミラーで確認しましょう。最後に車体がスペースに対してほぼ平行になってくるのを右から顔を出して見て、ハンドルをまっすぐに戻す準備をします。

 

ステップ⑤:最後の微調整と、駐車完了

車体がスペース内に収まり、路肩と平行になったら、ハンドルをまっすぐに戻して停止します。一度で完璧な位置に停めるのは難しいので、前後の車との間隔が均等になるように、必要であればハンドルを操作しながらゆっくり前進・後退して微調整します。

適切な位置に停めたら、シフトレバーを「P(パーキング)」に入れ、パーキングブレーキ又はサイドブレーキを確実にかけます。最後に、ドアを開ける前にもう一度周囲の安全を確認してから車を降りましょう。

 

縦列駐車を成功させるためのコツ

 

手順を理解したら、次は成功率を高めるための3つの重要な「コツ」を意識しましょう。

 

コツ①:すべては「正確な開始位置」から始まる!起点の精度にこだわる

縦列駐車の成否は、ステップ1の「起点」の精度に大きく左右されます。目標車両右側との間隔(約1m)と前後位置(後端合わせ)が正確であれば、後の操作のタイミングが格段に掴みやすくなります。練習では、まずこの起点に正確に合わせることを徹底しましょう。

 

コツ②:操作の「タイミング」と自分なりの「目安」を見つけること

ハンドルを切ったり戻したりする「タイミング」が縦列駐車の鍵です。上述した「合図」は目安であり、車種や視点で異なります。練習を繰り返し、「自分の車では、これが見えたら次の操作」という自分なりの「目安」を見つけ出すことが、上達への一番のコツです。

 

コツ③:「安全確認」は何よりも優先!焦りは最大の敵だと心得る

複雑な操作に気を取られすぎず、常に周囲の安全を確認することが最も重要です。プレッシャーを感じたら、焦らず一度停止して呼吸を整えましょう。心の余裕を持つことが、結果的にスムーズな駐車につながる最大のコツです。

 

上達への近道!練習方法と失敗からのリカバリー術

縦列駐車の「やり方」と「コツ」を頭で理解しても、すぐに路上で実践するのは難しいものです。練習を通じて、失敗からのリカバリー方法も身につけておきましょう。

 

疑似スペースで安全に練習する

自信をつけるには、安全な場所での反復練習が不可欠です。まずは広くて安全な駐車場を選び、実践的な練習環境を整えましょう。カラーコーンや段ボール箱を使って、前後の車を疑似的に作り出します。さらに、地面にロープやホースで直線を引いて縁石を再現すれば、タイヤを擦らないぎりぎりの感覚を養うことができます。

 

よくある失敗とリカバリーのやり方

失敗しても慌てないよう対処法を身につけておきましょう。

 

・縁石に寄りすぎた場合

すぐに停止し、ハンドルを逆方向(右)に切りながらゆっくり前進し、縁石から離れます。

 

・スペースに入りきらない場合

無理せず停止し、ハンドルを操作しながら切り返しで調整します。

 

・一番のコツはやり直すこと

数回切り返しても収まらない場合は、無理せず一度スペースから出て、最初の「起点」からやり直すのが最も安全で確実なリカバリー方法です。

 

まとめ:正しいやり方とコツを理解すれば、縦列駐車はもう怖くない!

多くのドライバーが苦手意識を持つ縦列駐車について、挑戦する前の心構えから具体的なやり方、そして成功のためのコツまで詳しく解説しました。縦列駐車は、決してセンスだけで行うものではありません。まずは無理に挑戦せず、より簡単な場所を選ぶという安全判断を最優先にしてください。

縦列駐車をする場合には、この記事で解説した正しいやり方を思い出し、重要なポイントである「開始位置」「タイミング」「安全確認」というコツを意識することが大切です。安全な場所で練習を重ねることで、あなたの運転スキルは必ず向上します。縦列駐車への苦手意識を克服し、もっと便利で楽しいカーライフを送りましょう。

東山自動車学校は、皆さんの安全運転をいつでもサポートします。