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#19「自動車学校でのみきわめとは?注意点を解説」

自動車学校に入校して技能教習を進めていくと「みきわめ」という項目があることに気がつくはずです。このみきわめは一見すると試験を実施するように思えるかもしれませんが、実は試験ではありません。今回は、そんなみきわめの概要や、スムーズにみきわめを終えるためのポイントをご紹介します。これからみきわめを控えている方はぜひ参考にしてみてください。

自動車学校における「みきわめ」とは?

まず、自動車学校のみきわめとはどのようなものなのか、またみきわめの結果が「不良」となってしまった場合の流れについてご説明します。自動車学校に通って自動車免許の取得を目指す場合、みきわめは2回受ける必要があります。事前に概要を頭に入れておき、当日になって慌ててしまわないようにしましょう。

運転技能の習熟度をチェックする機会

「みきわめ」は、運転技能の習熟度を確認し、運転技能が一定の水準に達しているか確認し、安全な運転ができるようになっているかを見極めるという意味で、非常に重要な機会であるといえます。

通常、仮免許試験前の効果測定合格後と卒業検定前の効果測定合格後に技能教習の一環として行われます。

みきわめの内容

1回目のみきわめは、第一段階の仮免許試験前に自動車学校の所内コースで行われます。確認するのは、運転装置を操作する能力や交通法規に従って運転する能力など基本的な技能です。教習の中で練習する機会はたくさんありますので、指導員のアドバイスを聞きながら意識的に練習するようにしておきましょう。

以下が第一段階のみきわめの内容になります。事前に項目を確認しておき、万全の状態で臨みましょう。

1、 安全への気配りができ、運転装置を正しく操作できるようになったか
2、 道路の形状にあわせた速度と走行位置と進路が選べるようになったか
3、 道路や交通状況の正しい認知、判断に基づき、運転操作が円滑にできるようになったか
4、 他の交通に気配りしながら、法規に従った基本的な走行ができるようになったか

上記4項目が第一段階のみきわめでのポイントになります。全て基本的な運転操作の技術です。また、実施コースは教習でいつも走行している自動車学校の所内コースですから、道を覚える必要はありません。指導員の指示に従って運転できれば大丈夫です。

2回目のみきわめが行われるのは、第二段階の卒業検定を受ける前です。このみきわめでは、実際の路上を走行する上で必要な技能を有しているか確認します。具体的には、交差点での右左折や進路変更、標識や信号に従った走行などができているかどうかをチェックされることになります。自動車学校で学んだことの習熟度を測る機会にしましょう。

以下が第二段階のみきわめの内容になります。

1、 道路や交通の状況を的確に読みとり、危険を予測した運転ができるようになったか
2、 他の交通に気配りをしながら、法規に従った基本的な走行ができるようになったか
3、 自主的に走行経路を設定し、他の交通に気配りをしながら、主体的な運転ができるようになったか
4、 方向変換や縦列駐車、その他交通の状況に応じた適切な方法で、駐・停車ができるようになったか

上記4項目が第二段階のみきわめでの主なポイントになります。第二段階では、実際に路上を走行する上での運転操作技術と駐車などが見られます。みきわめで走行するコースは、今までの教習同様に指導員からの指示もあるため、全ての道順を暗記しなくても問題ありません。もし走るコースを間違えて道をそれてしまっても減点にはならないため、落ち着いて運転に集中しましょう。

みきわめは試験ではない?落ちたらどうなる?

「みきわめ」は試験ではなく、あくまで運転技能の習熟度を確認するためのチェックです。ただし、受講するだけでそのまま仮免許試験や卒業検定を受けられるわけではありません。運転技能が一定の水準に達していないと判断されると、「不良」に該当した項目の技能教習を受け直さなければならないのです。不良の項目があると焦ってしまうかもしれませんが、ご自身の苦手分野を克服して、免許取得後に安全な運転ができるスキルを身につけるための大切なプロセスだと思うようにしましょう。不良の項目が生じた場合は、焦らずじっくりとご自身の不得意な点を改善していくことが大切です。

もしもみきわめで「不良」の評価を受けてしまった場合、追加教習を受講することになります。自動車学校のプランによっては、「安心パック」などといった数時間分の追加教習が費用に含まれている場合もありますが、ほとんどは含まれていません。追加教習の料金相場は、おおよそ一時限3,500〜5,000円程度です。そのため、何度もみきわめで「不良」となってしまうと、その都度追加料金がかかることになります。

みきわめと検定の違い

上記でも触れましたが、みきわめは試験ではありません。評価は点数ではなく、「良好」「不良」の二択の判定で行われます。評価の判断基準も明確に定められており、各段階の技能教習の内容を習得できているかをチェックされます。評価項目に問題がなければ「良好」、不十分と判断されれば「不良」となり追加教習の受講が義務付けられるのです。

みきわめを無事に通過することができ、学科教習も全て受講していれば、検定を受けることになります。第一段階のみきわめ後には仮免の技能検定(修了検定)が、第二段階では卒業検定が実施されます。検定は修了検定、卒業検定いずれも減点方式です。スタート時には全員一律に100点が与えられ、最終的に70点以上で合格となります。減点の大きさは項目によって異なり、場合によっては一つのミスですぐに不合格となることもあるため、みきわめと比較して難易度がかなり上がります。

修了検定、卒業検定に不合格となると、補習として追加教習を一時限以上受けてからでないと再度検定を受けることはできません。

このようにみきわめと検定では、「試験であること」「難易度」の2点が大きく異なります。合否に焦点を置く検定とは違い、あくまでみきわめは技能教習の一環として行われます。50分の教習のなかで思うようにうまくいかないこともあるかもしれませんが、指導員からのアドバイスをよく聞き、教習中に改善できるように心がけましょう。教習終了時に項目をクリアできていれば「良好」になりますから、最後まで諦めずに運転をすることが重要です。

みきわめを受ける際に気をつけたいポイント

ここからは、みきわめを受けるタイミングで思い出していただきたいことをいくつかご紹介します。免許取得後、公道で安全に運転をする際にも必要なことばかりなので、ぜひ覚えておいてください。

安全確認は十分に


発進時や停止時はもちろんのことですが、車の乗り降りや走行中にも安全確認をする必要があります。安全確認のタイミングや内容に注意して、適切なチェックを行いましょう。実際、安全確認が不十分でみきわめが「不良」になってしまうケースは多いので、自然に安全確認ができるよう、普段の教習時から安全確認を意識的に徹底しておくことをおすすめします。

停止位置でしっかりと止まる

一時停止標識がある場所や信号の停止線、踏切の直前など、停止が必要な場所では確実に停止するように心がけましょう。しっかりと停止できていなかったり、停止線を大幅に超えて停止していたりすると、仮免許試験や卒業検定で失格になるほか、なにより重大な事故につながる恐れがあるため非常に危険です。また、停止線よりも手前に停止しても、安全確認が十分にできなかったり、追突されてしまったりというリスクが生じます。停止しなければならない場所を認識し、正しい位置で確実に止まることができるように気を配っておきましょう。

適切な速度で走行する

走行時の速度が速すぎたり遅すぎたりすると、事故を誘発する可能性があり、大変危険です。指導員は、みきわめを含め各教習で、教習生が適切な速度で走行できているかどうかをチェックしています。速度を過度に増減させるのも良くありません。標識や状況に応じて、最適な速度を安定して出すようにしましょう。

横断歩道前では特に歩行者に気を配る

横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるにも関わらず、そのまま進行してしまうのは、「横断歩行者等妨害等」というれっきとした違反になります。特に横断歩道の前は、いつでも停止できる速度で進み、横断歩道を渡る歩行者がいる場合はしっかり停止するようにしましょう。自転車から降りて押している人も「歩行者」という判断になるので要注意です。

ここでご紹介したのは、気をつけなければならないポイントのうち、ほんの一部になります。教習中の指導内容やご自身が苦手としていることも加味して、自分なりに気をつけるポイントを見つけていくことをおすすめします。

苦手分野ををなくしてみきわめに臨みましょう

みきわめは運転技能において苦手なことを確認する場ではありますが、事前にご自身の苦手なことが分かっているのであれば、克服しておくのが一番スムーズだといえるでしょう。事前に学んだことの復習を行い、当日は落ち着いた気持ちで臨みましょう。