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#20「自主経路設定とは?うまくいくコツは?」

自動車学校で免許を取得する際、第二段階の技能教習として実施される「自主経路設定(自主経路設計)」。字面を見て不安に思ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな自主経路設定の教習ではどのようなことを行うのか、またスムーズに教習を進めるためにどのようなことに気を付ければよいのかを解説していきます。

自主経路設定とはどんな教習なのか

さて、まずは自主経路設定という教習がどのようなものなのかご説明します。不安に思う教習生の方も多いですが、通常の教習を受ける時と同様、やるべきことをこなせば問題はありません。教習の概要を知り、不安を和らげていきましょう。

自分で決めた経路を走行する教習

自主経路設定は、その名の通り自分で走行する経路を作り、そこを走行するという教習です。通常の教習では指導員による誘導が行われますが、基本的に自主経路設定では指導員の誘導を受けず、自分で決めたルートを走行しなければなりません。経路の設定と走行がセットになっているのです。

目的は主体性のある運転能力を身に付けること

この教習の実施目的は、主体的に運転を行う能力を身につけるためです。運転免許を取得したら、隣で道を教えてくれる人がいないという状況になることも多々あるでしょう。多くの車にはカーナビが装備されているとはいえ、目的地までの経路を考えて運転をしなければならないのは間違いありません。

それゆえ、自動車学校にいるうちから主体的に経路を設計して、その通りに運転を行うという練習をしておかなければならないのです。カーナビの普及に伴って免除になったものの、自主経路設定はかつて卒業検定の科目でした。多くの自動車学校では、その名残で今も自主経路設定の教習が設けられています。それほど、自分で経路を決めて主体的に運転をする能力は重要視されているのです。

教習を受講する上で気になるのが、自主経路は卒業検定に含まれるのかどうか、という人も多いはずです。結論からいうと、自主経路は卒業検定には含まれません。以前までは含まれていましたが、2012年に課題として卒業検定からは除外されました。カーナビが世の中に普及し、地図を見て運転することが減ったこともあり、現在は技能教習でのみ自主経路が行われています。免許取得の可否には関係ありませんので、リラックスして教習に臨みましょう。

教習の流れ

まずは、自主経路設定の技能教習を受ける前に、「経路の設計」の学科教習を受講完了しておかなければなりません。この学科教習が終わっていなければ、技能教習の進行が滞ってしまうため、第二段階に入ったら早めに受講しておくことをおすすめします。

経路を決めるタイミングは自動車学校によって異なり、事前にルートを決める場合や当日渡された地図を元にその場で他の教習生と共にルートを決める場合があります。ご自身が通う自動車学校ではどのタイミングで経路を決めるのか知りたい方は、事前に指導員に聞いておくと良いでしょう。

経路が決まったら、あとは当日技能教習を受けるだけです。自身で決めたルートを指導員に申告し、その道順通りに運転をします。走行中、指導員が道を教えてくれることはありません。

あとは最後に指導員から運転や経路に関するフィードバックを受けたら、教習終了になります。

経路設定の仕方

ここからは経路設定の仕方について解説します。まず経路を決める際に重要なのは、自身の運転技術に合わせた道順を設定することです。特に運転に苦手意識のある方は、わかりやすい道や自分にとって走りやすい道路を選択しましょう。早く目標地点に着きたいからといって、最短ルートが必ずしも運転しやすく最善の道ではないので注意が必要です。

また、道をあらかじめしっかり覚えられるように目標物やわかりやすい目印となる建物を決めておくことも重要です。「この建物で右折する」といったルートの覚え方だけでなく、「ここまで行ったら行き過ぎ」といった間違いを自覚しやすい目印を決めておけば、すぐに引き返すことができます。

通っている自動車学校や教習所によっては、あらかじめ決められたルートを走行するといった場合もありますが、どちらにせよ目標物となる建物や風景を覚えておくことは必須です。免許取得後に自分だけで運転する練習として、主体的に判断できるようにしておきましょう。

ルートを間違えてしまったら?

先述の通り、自主経路設定の教習は自主的に運転をするための能力を身につけるために実施されます。そのため、走行するルートを間違えてしまっても、それ自体は問題ありません。事前に設定したものと違う経路を走行していることに気づいたら、まずは落ち着いて安全な場所に車を停止させ、元のルートに戻りましょう。特に交差点を曲がりそびれたり、予定よりも早く曲がってしまうというミスをすることが多いので、自主経路を設定する際には、間違って別の交差点で曲がってしまう場合も考慮してルートを組むのがベストです。

自分で設定したルートに戻ることができそうになく、動けなくなってしまったら指導員の力を借りることもできます。自主経路設定の教習中、道を何度も間違えるようであれば指導員が道を教えることが認められています。道を教えてもらわない場合でも、教習中にパニックになってしまったら、指導員の指示をあおぎましょう。

経路が途中でわからなくなっても、間違ってしまっても、慌てずに素直に経路を間違えたことを指導員に申告しましょう。自主経路はあくまでも教習内での練習です。途中で道順を間違えてしまっても最終的に目的地であるゴールに到達できれば問題ありません。一番危ないことは、経路がわからず曖昧なまま運転し続けることです。実際の運転と同様に、「この道順で大丈夫だっけ」と、不安を抱え肝心の運転に集中できなければ、対向車をはじめとした周囲への注意が散漫になります。

自主経路設定をスムーズに行うコツ


それでは、この教習を円滑に進めるために気をつけるべきポイントを、コツとしてご紹介します。ぜひ参考にして、当日を安心して迎えられるようにしましょう。

運転しやすい経路を作る

最短ルートが運転しやすい経路とは限りません。走行距離こそ短くても、道幅が狭かったり渋滞しがちだったりすることがあるので、要注意です。道幅が広く、混雑しない道があればできるだけそちらを選択するようにしましょう。

目印になるものを覚えておく

多くの場合、自主経路設定の教習を受けるにあたって、道を覚えられるか心配に思うことでしょう。そこで、おすすめするのは目印になるものを覚えておくこと。目印は、看板や店舗、交差点の名前でも、ご自身が覚えやすいもので構いません。ポイントは、右左折をする交差点の少し手前の目印を覚えておくことです。せっかく目印を設定し、目視ができたとしても、それが交差点直前であれば右左折に間に合わないこともあります。余裕をもって、「○○の看板が見えてから3つ目の信号」のような覚え方をしておきましょう。必要に応じて下見をするのもおすすめです。

ただし、信号や交差点の名前を目印にした場合、数え間違いや近くまで行かないと目視で確認できないといったリスクがあるので注意しなければなりません。付近にある建物と併せて覚えておき、どちらかの確認や数え間違いをしてしまっても、道順をわかるようにしておくことが重要です。

ルートを覚える

自主経路教習で通る全体のルートを教習前にしっかりと確認しておき覚えておきましょう。自主経路教習では、自動車学校ごとに教習生自身がルートを設定する場合と、あらかじめ設定されているルートを走る場合の2パターンが考えられます。自分でルートを決められる場合は運転しやすく覚えやすい道順を選び、自動車学校側が決めたルートの場合は上記でご紹介したように信号や建物などの目印とともに道を把握しておくことが大切です。また、教習までに不安であれば実際に目的地までの経路を現地で確認しておくこともおすすめです。自主経路教習の本番では、経路に加えて普段の技能教習と同じように運転操作も忘れてはなりません。合図や目視、左折時の寄せなど教習中に気をつけなければいけないことは多いです。いくら経路通りに走行できたとしても、肝心の運転操作が微妙であれば教習としては台無しになってしまいます。本番中にパニックにならずに、普段通りの運転をするためにもしっかりとルートを覚え、自主経路教習を受けましょう。

地図と景色を一致させておく

地図を見てすぐにそれがどの場所かイメージできる人は多くありません。特に、運転をしながら地図を思い出し、それに対応した運転をするのは難しいといえます。そこで、事前に自動車学校周辺の地図と景色を一致させ、地図を見たらだいたいの場所が分かるようにしておくのがおすすめです。地図を持って現地で下見をするのはもちろん、Googleマップのストリートビュー機能を使って地図と実際の風景を合わせて覚えるのも手です。ご自身が覚えやすい方法をとりましょう。

落ち着いて当日を迎えましょう

事前に一生懸命経路を覚えたとしても経路を間違えることはあります。大切なのは、そこから落ち着いて運転ができるかどうかです。自主経路設定の教習でもそうした観点で指導を行うので、「道を間違えてしまわないか不安」と思っている方も、安心して当日に臨みましょう。東山自動車学校では、教習の内容や入校に際してのお問い合わせを受け付けていますので、いつでもご連絡ください!