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#9「運転免許取得に必要な視力は?適性試験の内容を解説します!」

突然ですが、みなさんは日常生活で眼鏡やコンタクトをお使いでしょうか?今回は、運転免許と視力にまつわるトピックを扱います。運転免許を取得する際に必要な視力の条件や、適性試験の内容をご説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

視力検査の内容

視力検査といっても運転免許に必要な視力の有無を確かめるだけのものなので、健康診断と同じくらいで特別難しいものではありません。検査の担当者の指示に従い、見えているかどうかのみを答えられれば大丈夫です。

普通自動車免許では、基本的に健康診断と同じ視力検査内容ですが、大型免許等の場合は深視力検査も併せて行われます。それぞれ見ていきましょう。

普通自動車免許などの視力検査

普通自動車免許の視力検査では「ランドルト環検査」が採用されています。ランドルト環検査は、アルファベットの「C」に似た円の一部分だけを切り取ったマーク(ランドルト環)を用いて視力検査を行います。提示されたマークの空いている箇所が上下左右どこにあるかを答え、どこまで小さなマークが見えるかを調べ視力を確かめる方法です。健康診断をはじめ運転免許以外でも世界共通で使用されている視力検査方法であるため、なじみのある方も多いはずです。なお、普通自動車免許を含む全免許試験で実施される検査ですので、免許取得時には必ずあるものと覚えておきましょう。

視力検査のほかにも、信号機の色を確認できるかを確認する「色彩識別能力検査」も行われます。赤、黄、青の3色を識別できれば問題ありません。

深視力検査

「深視力検査」とは、ものを立体的に識別できているか、動くものの遠近感を捉えられるかを確認する検査です。対象となる免許は、大型や中型、準中型の第一種免許、けん引免許、第二種免許取得時になります。動く棒を用いた「三棹法」と呼ばれる検査方法で測定し、2.5mの距離で3回検査し、その平均誤差が2cm以下で合格となります。

運転免許取得時に必要な視力

運転免許取得時に求められる視力は、免許の種別によって異なります。これは免許の対象となる車両の大きさや特性によって、安全に運転するための必要な視力が異なるためです。ここでは各種別の免許を取得する上で必要な視力と、眼鏡やコンタクトを使用した場合の免許取得への影響についてお話します。

普通自動車免許の場合

普通自動車免許を取得する場合の基準は、次の通りです。
・両眼で視力0.7以上、かつ片眼でそれぞれ視力0.3以上
・片眼の視力が0.3未満、もしくは片眼が見えない場合には、もう一方の眼の視野が左右150度以上かつ視力0.7以上

この基準は、第一種中型免許(中型8トン限定)、第一種準中型免許(準中型5トン限定)、大型特殊免許、二輪免許でも適用されます。

原付・小型特殊免許の場合

続いて、原付(原動機付自転車)や小型特殊免許の条件です。小型特殊免許はトラクターや小型のフォークリフトを運転する際に必要な免許となります。

・両眼で視力0.5以上
・片眼が見えない場合には、もう一方の眼の視野が左右150度以上かつ視力0.5以上

ちなみに、フォークリフト(最高速度が15km/h以下のもの)の走行は普通自動車免許を持っていれば行うことができますが、荷物の積み下ろしについては別の資格(フォークリフト資格)が必要になるので、要注意です。

大型免許の場合

第一種大型免許や第一種中型免許(限定なし)は、以下のような条件が設定されています。

・両眼で0.8以上、かつ片眼でそれぞれ0.5以上
・深視力を3回検査した平均誤差が2cm以内

第一種準中型免許(限定なし)やけん引免許、第二種免許も上記の条件が適用されます。普通免許の適性試験では用いられない「深視力」の試験があります。深視力測定は物体の遠近感や距離感を捉える力を測るものです。特に、動く物体に対する把握能力が求められる免許種別については、この深視力の測定が必要になっています。

眼鏡やコンタクトを着用する場合

裸眼の視力が条件を満たしていない場合は、眼鏡やコンタクトを着用することで免許の取得ができるようになります。ただ、その場合「眼鏡等」という条件付きの免許になるため、裸眼で運転をすることはできません。反対にもし「眼鏡等」の条件付きで免許を取得した後、レーシック等で視力が回復した場合には、限定解除が必要になるため要注意です。

眼鏡やコンタクトを忘れてしまった場合

運転時に眼鏡やコンタクトの装着が義務付けられているにも関わらず、適性検査時に忘れてしまった場合は再検査となります。免許更新時でも同様で、当日に間に合わない際には別日に免許センターまで再度行くことになります。更新期限を超過すると更新ができませんのでスケジュールには余裕を持って予定を立てておきましょう。

また、視力検査を眼鏡やコンタクトを装着して試験に合格した場合には、技能教習も含めて運転時には装着が義務付けられます。もし技能教習時に忘れてしまった場合は、教習を受けることはできませんから注意が必要です。免許取得後、裸眼で運転すると道路交通法第91条に違反したとして、普通車であれば違反点数2点、反則金7,000円を支払うことになります。眼鏡やコンタクトを装着した上で視力検査に合格した人が裸眼で運転すれば、当然ほかの免許所有者が運転する車に比べて事故を起こす確率は高くなります。自身の不注意で事故を起こさないためにも眼鏡やコンタクトの装着が義務付けられている人は、必ず忘れず安全な車の運転を心がけましょう。

レーシック手術によって視力が回復しても、免許証に眼鏡などの条件が付与されている限りは免許の条件違反です。まずは視力が回復したことを検査員に話し、再度視力検査を行うことになります。免許証の所在地を管轄している警察または免許センターに行き、免許証の条件解除申請をすることで裸眼での運転が可能になります。

ほかにも老眼が進めば遠方視力が回復するケースもあります。その際にも眼鏡やコンタクトを外した裸眼の状態で視力検査を受け、無事に合格すれば免許証の条件は解除されます。条件の解除は免許を取得した後でも、無料で行うことができます。条件解除を忘れてしまうと、知らない間に違反をしてしまうことにもなりますから、必ず確認しておきましょう。

視力が基準に満たない場合

矯正の有無を問わず、試験で視力が基準を満たしていなかった場合には、視力が改善されるまでは運転免許試験を受験することができなくなります。眼鏡やコンタクトを忘れてしまった場合や体調の変化など、視力に影響を与える要因はいくつかあります。その時々で最適な方法を選択しましょう。

時間をおいて再試験を行う

普段視力の条件を満たしている人でも、当日のコンディションによって視力が基準を下回ってしまうことがあります。基準となる視力ギリギリの場合は特に、体調の変化を受けやすく、それが原因で先に進めないこともあるでしょう。
そうした場合には、時間をおいて再度試験を行うことを提案されることも多いです。目を休めたり、目の周りの筋肉をほぐしたりして再試験に臨みましょう。

日を改めて再試験を行う

眼鏡やコンタクトを忘れてしまったり、度数が合っていなかったりする場合には、日を改めて再度試験を受けることもできます。体調による視力変化で、少し休んでも視力が変わらない場合も同様です。必要に応じて眼科で最適な矯正を行い、再試験を受けるようにしましょう。

期限切れには要注意

ほとんどの場合問題ないと思われますが、自動車学校を卒業してから1年が経過すると、技能試験が免除となる「卒業証明書」が無効になってしまいます。眼鏡やコンタクトを作る必要があり、時間がかかってしまう場合には、念のため有効期限に気を配るようにしましょう。もし有効期限が切れてしまうと、もう一度教習を受け直さなければなりません。

免許取得にあたって視力の他に必要な能力とは


免許を取得する際、視力以外にも条件があります。ここでは特に、身体的な条件についてご説明します。今の段階で基準を満たしていなかったとしても、矯正等によって条件を満たすことができるようになることもあります。視力以外の条件を、ひとつひとつ見ていきましょう。

聴力

聴力に関する条件は、以下の通りです。
・両耳の聴力が10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音が聞こえるものであること
90デシベルとは犬の鳴き声を至近距離で聞いたくらいの音量を指します。

この聴力は補聴器で補われたものであっても良いため、音が聞こえづらい方は補聴器の利用も視野に入れましょう。

色彩識別能力

色彩識別能力は、主に信号灯の色を判別するために必要になります。
そのため、条件は以下の通りです。

・赤色、青色及び黄色の識別ができること
試験としては、それぞれの色の電球を見分けるものや、ドットの中に記された数字を見分けるものなどがあります。

運動能力

基本的に運転の支障になるような身体の障がいがなければ、試験を通過することができます。もし支障になるような障がいを持っていたとしても、補助器具等を使用すれば運転が認められる場合もあるため、事前に相談してみましょう。

基準の視力を満たしていない場合は事前の矯正を

今回は、視力を中心に運転免許取得にあたって満たさなければならない身体的条件についてお話しました。もし、不安なようであれば、事前に視力を矯正して適性試験に臨むようにしましょう。その他の不明点についても、自動車学校で相談に乗ってもらえることがほとんどなので、ぜひ気軽に問い合わせてみてくださいね。